
大腸の蠕動運動にヒントを得て開発した、異種の高粘性物質や粉体を混合しながら搬送できる革新的な混合搬送機である。黒い円筒状の駆動部には、現在所属している中央大学理工学部中村研究室の高性能ゴム人工筋を応用し、軸方向の伸縮と、内部の閉塞による蠕動運動を発生させる。本混合搬送機により、2017年12月に、実組成の固体ロケット燃料の連続混合に、世界で初めて成功した。これまで半手作業で製造されていた固体推進薬を、全自動かつ連続的に製造することが可能となり、密閉空間での安全性向上と抜本的な低コスト化が期待できる。また、本混合搬送機は、従来、重力による落下搬送かベルトコンベアに頼っていたハチミツ、アスファルト、汚泥等の搬送にも使え、食品品質の向上、製造コストや食品ロス削減も期待されている。